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a+u エー・アンド・ユー
- 内容1971年1月創刊。世界の建築情報を日本および世界に提供する、和英バイリンガルの建築雑誌。創刊以来、海外の建築情報を伝える日本唯一の月刊誌として、広く建築界に親しまれています。
- 購読状況継続中
- ISSN491001973
- 国名コード日本
- 言語コード日本語
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- 特集記事
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- 『a+u』9月号は、イタリアの構造エンジニアのピエール・ルイジ・ネルヴィ(1891〜1979年)を特集する。20世紀イタリアが生んだ偉大なる構造的建築物のクリエイターの1人として世界的名声を得ているネルヴィのレガシーを、未出版のプロジェクトを含む作品群によって再確認する。
これまで多くの賞賛と尊敬を得ているように、ネルヴィは素材の可能性、構造、技術性、経済性、美的表現、施工性、機能性を追及した大空間を特徴とする作品を生みだし続けた。これらのキーワードは矛盾をも内包しているが、すべてが成立する最適な「妥協点」を見つける才能は彼の天性といえるのではないだろうか。最適な妥協点は往々にしておとなしい帰着点をもたらすが、抜きんでた驚きを与えられる作品を生みだす力こそネルヴィをネルヴィたらしめている。その才能は偶然ではなく、彼が繰り返し行った実験や熟考という努力の賜物でもあることを忘れてはいけない。
生前はその名声をほしいままにしたネルヴィであったが、彼の没後は事務所の突然且つ予想外の閉業も一因となり多くの図面は分割され離散するような状態で保管され、イタリア国内の著名な評論家による批判を受けることでネルヴィについて触れられる機会も減少し、なかば忘れられたような不幸な時期もあった。
ネルヴィは1990年代に「再発見」され、クラウディオ・グレコ教授による画期的なアーカイブ研究、ゲストエディターのフランチェスコ・ロメオ教授による保存活動、そしてピエール・ルイジ・ネルヴィ・プロジェクト財団の活動など、数々の研究者らの尽力で再評価された。本号で紹介する作品のレビューは、そうした再発見活動の要約であり、ネルヴィの仕事の包括的な概観を提供することを目的としている。
そしてネルヴィの作品は、他の近代建築と同様に保存という課題を我々に突きつけている。イレーネ・マッテイーニ氏のエッセイで紹介されている保存と活用の実例は、保存こそが未来へと通じる道であることを示している。また、豊川斎赫教授によるエッセイは丹下健三がネルヴィから受けた影響やネルヴィへの評価を明らかにする。さらにスキッドモア・オウイングス・アンド・メリル(SOM)の著名な構造家ウィリアム・F・ベーカー氏は自身の構造家としての視点からネルヴィの作品および哲学を評する。これらのエッセイによってネルヴィの多くの側面が立体的に浮かび上がるであろう。
福田陽子
ゲストエディター
エッセイ:ネルヴィの時を超越した哲学
ウィリアム・F・ベイカー
初期 1913 ~ 1949
ピエール・ルイジ・ネルヴィ 初期 1913 ~ 1948
クラウディオ・グレコ
バンキーニ劇場、アウグステオ劇場とケーブルカー駅/ベルタ・スタジアム/
飛行機格納庫/プレファブ格納庫/農業機械工房
マリアーナの実験倉庫
ミラノの見本市パヴィリオン
トリノ博覧会展示館・ホールB
塩倉庫
1950年代
トリノ博覧会展示館・ホールC
タバコ俵倉庫
キアンチャーノの温泉施設
ガッティ毛織物工場
トリノ市営交通公社の整備場
スポーツ・パレス(小体育館)
ユネスコ本部
ピレリ・ビル
フラミニオ・スタジアム
スポーツ・パレス(大体育館)
エッセイ:ネルヴィを保存する
イレーネ・マッテイーニ
1960年代
サヴォーナ駅旅客ターミナル
トリノ労働会館
ダートマス大学レヴェローネ・フィールド・ハウス
ブルゴ製紙工場
ジョージ・ワシントン・ブリッジ・バスステーション
フィアット・ミラフィオーリ工場給水塔
モッタ・グリル高速道路サービスステーション
ストック・エクスチェンジ・タワー
オーストラリア・スクエア・タワー
エッセイ:ネルヴィと丹下健三
豊川斎赫
1970年代
聖マリア被昇天大聖堂
パウロ6世記念ホール
ノーフォーク・スコープ・アリーナ
ヴェネツィア貯蓄銀行本店
在フランス・オーストラリア大使館
MLCセンター
コートジボワール大統領葬儀場
グッド・ホープ・センター
在ブラジル・イタリア大使館
エッセイ:
ピエール・ルイジ・ネルヴィ──過去と未来の間
フランチェスコ・ロメオ
- 特集記事
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- 『a+u』8月号は、12年前に出版されたマウリシオ・ペソとソフィア・フォン・エルリッヒスハウゼンの最初のモノグラフ(a+u 2013年6月号 No.513)の続編である。今回発表された20点の作品は、絵画と建築の融合に向けた彼らの方法論と哲学の進化を示すものである。幾何学の探求を通して建築の表面の限界と戯れるペソ・フォン・エルリッヒスハウゼンは、読者に「アーキテクトニックな(建築的な構成をもつ)像」を、厳格な複製としてではなく、あらゆる可能性を秘めた世界の中で自己を視覚化する方法として考えるよう誘う。そこでは物理的な目と心の目が交わるのだ。したがって、建築は固定されたものではなく、予測不可能なものであり、個人の自己認識と、彼らが占める空間と瞬間とが重なり合うものなのである。二人の絵画は、官能的でありコンセプチュアルでもある建築の知覚に、私たちを入り込ませてくれる。(編)
- 特集記事
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- Content
『a+u』7月号では、ニューヨークのように巨大なスケールで開発が進む都市において、「歩く」「休む」「働く」「遊ぶ」といった人間の基本的な営みを中心に据えた空間づくりがいかにして可能か、という問いを投げかける。今回取りあげたミッドタウンやロウアー・マンハッタンのプロジェクトは、現在ニューヨークの建築を豊かにしているスケールの異なる様々なタイポロジーの一端を示すものである。スキッドモア・オウイングス・アンド・メリル(SOM)による「モイニハン・トレイン・ホール」は、隣接する歴史的なジェームズ・A・ファーリー・ビルを活用して、ペンシルヴェニア駅を拡張することで、都市の構造を保ちながら交通拠点需要の高まりにこたえる試み。一方、nアーキテクツが手がけた「ガンズヴォート・ペニンシュラ・パーク」のようなコンバージョンは、かつての工業地帯であるウォーターフロントを緑地やスポーツ施設へと再編する、数十年にわたる取り組みの一環と位置付けられる。またコーン・ペダーセン・フォックス・アソシエイツ(KPF)による、住宅不足という課題に対し、建物の素材感を周辺環境と調和させ、ヒューマン・スケールとアーバン・スケールとを統合したプロジェクトを取りあげる。さらに、ウォレル・ヤンやWORKacといった小規模な設計事務所による、大規模開発の只中において繊細な設計介入によって都市の個性を守るアプローチを紹介する。 (編)
エッセイ:
建物の域にとどまらない、
マンハッタン・ウエスト・サイドのまちづくり40年
キース・P・オコナー
スキッドモア・オウイングス・アンド・メリル(SOM)
イースト・エンド・ゲートウェイとロングアイランド鉄道コンコースの改修
モイニハン・トレイン・ホール
マンハッタン・ウエスト
ハイ・ライン──モイニハン・コネクター
リサーチ:
オフィスから住宅への転用のスタディ:1633ブロードウェイ
スキッドモア・オウイングス・アンド・メリル(SOM)
ヘザウィック・スタジオ
ヴェッセル
リトル・アイランド
nアーキテクツ
ガンズヴォート・ペニンシュラ・パーク
スノヘッタ
マディソン・アヴェニュー550番地のガーデン
エッセイ:
前衛建築の伝説と市場原理主義都市の興隆
スティーブン・ザックス
ディラー・スコフィディオ+レンフロ
スパー──ハイ・ライン
コロンビア・ビジネス・スクール
ウォレル・ヤン
カナル・プロジェクト・リノベーション
エッセイ:
イースト・ミッドタウン再生
アンドリュー・クリアリー
コーン・ペダーセン・フォックス・アソシエイツ(KPF)
ワン・ヴァンダービルト
55ハドソン・ヤード
エッセイ:
技と創意、コンテクスト、パフォーマンス:
現代のアメリカン・ヴァナキュラーをつくる
ジェームズ・フォン・クレンペラー
コーン・ペダーセン・フォックス・アソシエイツ(KPF)
64ユニヴァーシティ・プレイス
WORKac
ステルスビル
ゲンスラー
パールハウス
- 特集記事
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- 青木淳のモノグラフである。
青木は、住宅や公共建築、商業建築など、多岐にわたる建築で知られる、日本を代表する建築家である。また、それら実作を通して語られる、批評性に富む言説に喚起される者は数多い。その中で、今号は青木のアートにまつわるプロジェクトのみを取り上げる。
青木の建築は、どんな用途であっても様々な使われ方に対して寛容であり、不確実な関係性に向かって開かれている。それは、均質で一様な風景をつくり出すこととも、個人の強いメッセージを示すこととも一線を画す、人間それぞれがもつ価値観や速度が混在した、矛盾やブレを許容する建築といえる。そしてそのプロセスは、目的地(コンセプト)に向かってまっしぐらに進んでいくものではない。様々な立場や年代、職能をもった協働者と共に、常識や先入観を極力外し、見たことのない世界へ行き着こうという希求によって生み出される。青木は、いちばんそれが現れるのが「Museum」だというのである。日常生活から湧きでてくるものが重なって文化となり、やがて「Museum」ができていく。それは誰にもどこでも開かれている存在なのだという意図も込められている。
今号で取り上げるプロジェクトは、公共の美術館をはじめ、ギャラリーや展示構成、アートワークなど幅広い。それらは、そこにおく作品ごとに、訪れた人ごとに、その日その時間何かが起こるごとに、そのための空間に変容していく。そのどこまでも広がるイメージを包摂する25のプロジェクトを、青木が今号のために書き下ろした論考と解説と共に紹介する。この先の自由を示す建築の可能性を見ていただきたい。 (編)
はじめに
京都市美術館(京都市京セラ美術館)
ヴィクトリア&アルバート美術館増築プロポーザル案
テロのトポグラフィープロポーザル案
新福岡県立美術館プロポーザル案
滋賀県立近代美術館プロポーザル案
エッセイ 中立点
TARO NASU 大阪、TARO NASU バンビ
TARO NASU
シュウゴアーツ
「赤と青の線」
「言語と美術──平出隆と美術家たち」
岡山ハウス
ぼよよん土管
U bis
「丸山直文 水を蹴る──仙石原──」
「そこに光が降りてくる 青木野枝/三嶋りつ惠」
「近藤亜樹:我が身をさいて、みた世界は」
エッセイ 無化への改装
青森県立美術館
「[帝国ホテル二代目本館100周年]フランク・ロイド・ライト
世界を結ぶ建築」
「はっぱとはらっぱ」
エッセイ 動線体、再び
テンポラリーなリノヴェーションとしての展覧会
シン・マサキキネンカン
鳥は泳ぎつづける
HAPPY TURN
雲と息つぎ
ラビットホール
- 特集記事
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- 『a+u』5月号は、アーカイブから「聖なる空間」に関して振り返る特集号であり、建築を通じて超越的な体験を生みだすという議論において、重要な役割を果たしてきたプロジェクトをとりあげている。掲載された空間は、単なる礼拝の場にとどまらず、神聖さを建築的に表現する革新的な手法を備えている点に特徴がある。たとえば、ヨーン・ウッツオンによる「バウスベアーの教会」は、人間性と自然との調和を目指した空間であり、ジェフリー・バワによる「シーマ・マラカヤ」は、伝統的な建築言語を用いて自然および文化との結びつきを生みだしている。こうした振り返りに加え、本号では、建築がいかにして高次の存在との関係を育みうるかという問いに対し、多様なアプローチを提示している。リナ・ボ・バルジによるコミュニティ志向の「セルラド聖霊教会」はその一例であり、対照的にクリスチャン・ケレツの「オベレアルタの教会」は、内省的かつ静謐な感性を体現している。さらに本号では、建築のアーカイブを拡張する試みとして、新たな瞑想空間も紹介している。グレン・マーカットによる「コーバー・サウンド・チャペル」や、ヘルツォーグ・アンド・ド・ムロンによる「高速道路礼拝堂」はその例であり、いずれも人間の体験における視覚だけでなく聴覚の重要性にも焦点を当てたプロジェクトである。 (編)
インタヴュー:
エルウィン・ビライとの対話
ヘルツォーグ・アンド・ド・ムロン
高速道路礼拝堂
グレン・マーカット、ジョルジュ・レンツ
コーバー・サウンド・チャペル
マリオ・ボッタ
南陽のロザリオの聖母教会
ハリリ・ポンタリニ・アーキテクツ
南米のバハイ寺院
安藤忠雄建築研究所
真駒内滝野霊園頭大仏
ジョン・ポーソン
聖モーリッツ教会
K2Sアーキテクツ
カンピ礼拝堂
ジョン・ポーソン
ノヴィー・ドヴール聖マリア修道院
メカノー
天使の聖マリア礼拝堂
スティーヴン・ホール・アーキテクツ
聖イグナチオ礼拝堂
アルヴァロ・シザ・ヴィエイラ
サンタ・マリア教会
マリオ・ボッタ
天使の聖マリア礼拝堂
オスカー・ニーマイヤー
平和の元后聖マリア軍事大聖堂
リカルド・レゴレッタ
聖マリア無原罪懐胎のメトロポリタン大聖堂
クリスチャン・ケレツ
オベレアルタの教会
リナ・ボ・バルジ
セルラド聖霊教会
ジェフリー・バワ
シーマ・マラカヤ
ヨーン・ウッツオン
バウスベアーの教会
ゴッドフリート・ベーム
巡礼教会
ジオ・ポンティ
サン・カルロ・ボロメオ病院の教会
サンフランチェスコ教会
- 特集記事
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- Content
『a+u』4月号では、ニューヨークとマドリードを拠点に国際的に活動する建築事務所、アンドレス・ハケ/オフィス・フォー・ポリティカル・イノヴェーション(OFFPOLINN)を特集し、「トランススピーシーズの建築」という概念を通じて、建築環境における「モア・ザン・ヒューマン」な次元の探求を紹介する。従来のように人間と建築を独立した存在とし、領域を明確に区切るのではなく、トランススピーシーズ・アーキテクチャーは、単一的な人間中心主義に対抗し、コンクリート内の微生物から肺胞に至るまで、さまざまなスケールと透過性を持つ多様な存在の集合体として建築を捉える。本号では、この批評的対話をポスト・アントロポセン(脱人間中心主義)の時代へとさらに深めるべく、世界各地の建築家が集う。スペインのミレイア・ルサラガとアレハンドロ・ムイーニョ(TAKK)、そして日本の常山未央(Studio mnm)と能作文徳(能作文徳建築設計事務所)が、OFFPOLINNとともに、新たな建築の可能性を探る。 (編)
エッセイ:
トランススピーシーズの建築:モア・ザン・ヒューマンの生のさらなる分節
としてのデザイン
アンドレス・ハケ
アンドレス・ハケ/オフィス・フォー・ポリティカル・イノヴェーション
トランススピーシーズ・キッチン
ザ・アース・パレス
「トランスベクター:中心は消えない」
「コスモ」
エスカラヴォクス
「ファントム:ミースに透かし見る社会」
ローリング・ソサエティのためのローリング・ホーム
タック
ソルスティス:庭園のパビリオン
アルカ:可動式庭園
共生ドーム:土壌ケアのインフラストラクチュア
ザ・デイ・アフター・ハウス
10K・ハウス
能作文徳建築設計事務所+Studio mnm
西大井のあな 都市のワイルド・エコロジー
能作文徳建築設計事務所
明野の高床(藁)
アンドレス・ハケ/オフィス・フォー・ポリティカル・イノヴェーション
ハウス・イン・ネヴァー・ネヴァー・ランド
アンドレス・ハケ/オフィス・フォー・ポリティカル・イノヴェーション
+ミゲル・メサ・デル・カスティジョ
ランブラ気候ハウス
座談会:
コスモポリティカルな実践
アルベナ・ヤネヴァ、アンドレス・ハケ、ミレイア・ルサラガ、
アレハンドロ・ムイーニョ、能作文徳、常山未央
アンドレス・ハケ/オフィス・フォー・ポリティカル・イノヴェーション
レッジョ・スクール
ティッセン=ボルネミッサ現代美術コレクションのための海の美術館
ハイブリッド・インフラストラクチュア:ラン・ラン・ラン
ロモラ:銀河の大理石テント
タッパー・ホーム
アンドレス・ハケ/オフィス・フォー・ポリティカル・イノヴェーション+ミゲル・デ・グズマン+エンリケ・クラエ
プラセンシア・ケア・ホーム
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