書誌詳細
紀伊國屋書店
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倫理思考トレーニング
- 著者名伊勢田哲治著
- 出版者筑摩書房
- 出版年2025.9
貸出・返却・予約状況
- 貸出状況
貸出可能
- 所蔵数1
- 貸出可能数1
- 予約数0
- 貸出累計0
所蔵事項
- 登録番号40003141
- 請求記号150-I
- 貸出区分通常
- 蔵書区分図書
- 所蔵館別館(看護棟)
- 配架場所推薦図書
- 所蔵状態所蔵
書誌事項
- 書名倫理思考トレーニング
- 書名ヨミリンリシコウトレーニング
- ISBN9784480077066
- 国名コードja
- 言語コードjpn
- ページ445p
- サイズ18cm
- 価格1400円+税
- 注記表現種別: テキスト (ncrcontent), 機器種別: 機器不用 (ncrmedia), キャリア種別: 冊子 (ncrcarrier)
文献: 章末
- 内容物事の善し悪しを判断するのは難しい。社会のあるべき姿や幸せの形も人それぞれ。ならば意見のすれ違う人と対話するのは不毛なのだろうか。それでも私たちは他者と共に社会をつくるため、答えの出ない問題について話し合わなければいけないことがある。そんなとき、小手先の論理で相手を説き伏せようとする前に、対立の根本に遡って「そもそも倫理とは何か」と考えてみることがとても役に立つ。「価値観の壁」を越え、生産的に議論するためのクリティカル・ディスカッション入門。
目次
はしがき/序章 哲学思考のその先へ/SS0‐1 唯一無二の食事(1)/クリティカル・シンキングとは/協力的クリティカル・シンキング/倫理的クリティカル・シンキング/倫理的思考における文脈主義/SS0‐2 唯一無二の食事(2)/「そもそも倫理とは何か」を考える必要がでてくるのはどういうときか/本書の構成/ブックガイド/第一章 倫理を外から眺める/SS1‐1 エンケラドス生命たちの自衛(1)/自然主義的視点/モラル・サイコロジー/暴走路面電車という思考実験/倫理的判断ははらわたの感覚で決まっている/倫理は進化のプロセスで形成された?/道徳は簡単には進化に還元できない/運命共同体が生む道徳/SS1‐2 エンケラドス生命たちの自衛(2)/ブックガイド/第二章 複視的に世界を眺める方法──中の人にしか見えない「社会」とは?/SS2‐1 見えるようになったもの(1)/拡張現実とは/「社会的な事実」とは/なぜ一万円札には価値があるか──制度的な規則と制度的事実/やりとりの中から浮かび上がる「社会」/社会的な存在としての「自己」/一貫性論争/コラム 平野啓一郎の分人主義/拡張現実としての「社会的事実」/「社会メガネ」は気の持ちよう?/一様ではない「社会メガネ」/二重写しに世界を見る/SS2‐2 見えるようになったもの(2)/社会の存在論/ブックガイド/第三章 倫理とは何か──自由意志と倫理はどのように「見える」ようになるか/1 道徳的主体としての自分/SS3‐1 丘に穴掘る部族の覚醒(1)/倫理メガネをかけて世界を眺める/「自由意志メガネ」のむこうに見える道徳的主体/自由意志は存在しないのか/道徳判断と行為はどうつながるか/2 善悪の客観性はどこからくるのか/SS3‐2 丘に穴掘る部族の覚醒(2)/「べき」には一貫性が求められる/客観主義と実在論/「客観性」や「実在性」は異星人にも見えるのか/「道徳的理由」に彩られた世界/コラム 非認知主義に対するアドバンテージ(ガチな人向けの補足)/人々はどのくらい道徳を客観的に捉えているか/3 善悪はフィクションか/「倫理メガネ」と錯誤理論/メガネをかける=感受性を研ぎ澄ます/SS3‐3 丘に穴掘る部族の覚醒(3)/倫理とは半強制参加の拡張現実だ/自分のメガネは見えない/「倫理メガネ」の多層性と多様性/ブックガイド/第四章 倫理的思考の四つのものさし──善悪をどう測るか/1 倫理的思考のものさし/SS4‐1 旧友の依頼(1)/規範倫理学の考え方/四つのものさし/2 結果のものさし/幸せについての三つの考え方/功利主義という考え方/価値があるのは「幸福」だけか/コラム 生命の価値/3 ルールのものさし/ルールの類型化/義務論(1)──一見自明の義務/義務論(2)──カント主義の場合/切り札としての権利/自己決定権とインフォームド・コンセント/誰の視点かで変わる答え/副次効果という考え方は有効か/4 性格のものさし/古代ギリシアから儒教まで/性格のものさしの特徴/5 関係のものさし/ケアするものとされるものの関係/専門職倫理/関係のものさしはあくまで関係がある限りで働く/コラム 自分に対する責任/6 四つのものさしを使いこなす/ものさしへの感受性を研ぎ澄ます/SS4‐2 旧友の依頼(2)/正当化的用法と発見的用法/倫理判断のクリームシチューモデル/コラム 未確定領域功利主義(ガチな人向けの補足)/ブックガイド/第五章 なぜ意見が食い違うのか──倫理問題の難しさ/1 意見はどこで食い違っているか/SS5‐1 真空愛着(1)/すれ違いのパターン分類/2 言葉の意味についての食い違い/SS5‐2 真空愛着(2)/「定義」のずれ/言葉のネットワークのずれ/空を飛べないものは鳥ではない?──事例ベースで学んだ概念のずれ/言葉の使い方をどうすり合わせるか/3 事実関係についての食い違い/SS5‐3 真空愛着(3)/誰が何を言ったかの食い違い/調査が必要なことがらについての食い違い/調査結果の解釈のずれ/幅のある推定値/将来予測のずれ/誰が情報提供者として信頼できるか/バイアスが対立の溝を深める/4 価値についての食い違い/SS5‐4 真空愛着(4)/強制参加の中の自由度が生む考え方の違い/コラム とがめるほどでもない過ち/社会メガネの食い違い/5 問題設定についての食い違い/SS5‐5 真空愛着(5)/問題の基本的枠組みについてのずれ/検討範囲のずれ/「次元数」の違い/誰に立証責任があるか/見え方の差を生む心理的背景/どれでもよいというわけではない/6 多対多の論争における食い違い/SS5‐6 真空愛着(6)/SNSが社会を分断する?/なぜネットはいつも揉めているのか──敵対的な討論状況/なぜ討論相手の主張をまじめに受けとれないか/一般化された欠如モデル/多対多討論状況/やっつける「敵」を特定する──「陣営」のイメージの危険性/わら人形論法の温床──多対多討論状況が生む討論のすれ違い/多対多敵対的討論状況というモデル/ブックガイド/第六章 互いの論証をチェックする──協力的に討論をするための技法(1)/1 協力的討論のながれ/SS6‐1 メッセンジャー号の批判的討論(クリティカル・ディスカッション)(1)/協力的に討論するための五つのステップ/協力的態度は相互作用の中で作られる/「対立の解消」の二つのパターン/2 論証図をつくる/論証図における矢印の意味/コラム MECE(ミーシー)/消極的根拠と否定的根拠/論証構造の類型/論証図についてのよくある疑問/3 暗黙の前提と結論の明示化/暗黙の結論の明示化/4 前提と推論の予備チェック/事実関係をチェックする/価値主張をチェックする/誤謬推論になっていないかチェックする/文脈にあった推論になっているか/ブックガイド/第七章 論破ではなく協力──協力的に討論をするための技法②/1 対論図をつくる/SS7‐1 メッセンジャー号の批判的討論(クリティカル・ディスカッション)(2)/対論図の基本的な考え方/対論になっていない討論/わら人形論法と論点ずらしの誤謬/コラム 食い違いのポイントをしぼりこむ方法/どういう場合に考えを変えるか訊いてみる/SS7‐2 メッセンジャー号の批判的討論(クリティカル・ディスカッション)(3)/2 対立をどう解消するか/言葉遣いのすり合わせ/事実認識のすり合わせ/心理学的仕組みに注意をはらう/価値主張のずれの解消/メガネをすり合わせる/正解は発見されるのか発明されるのか/価値の大小についての食い違い/問題設定についての食い違い/地平の融合/SS7‐3 メッセンジャー号の批判的討論(クリティカル・ディスカッション)(4)/3 多対多敵対的討論状況にどう対処するか/一般化された欠如モデルを避ける/「陣営」として捉えない/ゼロサム的に問題を捉えない/第三者にどう見えるかも気にかける/コラム ネガティブ・ケイパビリティ/ブックガイド/第八章 批判的でいるのはいつでもよいことか──無理せずクリティカルに生きる/SS8‐1 エピローグ(1)/ここまでのおさらい/クリティカル・シンキングはどこまで合理的か/クリティカル・シンキングは騙されにくいか/SS8‐2 エピローグ(2)/ つきとも協力すべきか/自分を傷つけようとしている相手ならどうか/SS8‐3 エピローグ(3)/売られた喧嘩は買うしかないのか/当事者を傷つける心配はないか──二次被害の可能性と文脈の分業/SS8‐4 エピローグ(4)/身の危険を感じたら考える前にまず逃げよ──緊急事態とクリティカル・シンキング/無理せずクリティカルに生きる/ブックガイド/注/あとがき